「二人暮らしの平屋の家」の計画で最も気を使ったのは、敷地の高低差と日当りです。

 

この敷地は緩やかな斜面地で、南東が高く北西に向かって下っていく勾配になっています。

南側と東側の隣地のほうが計画地よりも1~2mぐらい地盤が高く、さらにその隣地に建っている建物から冬は日影が長く伸びてきます。

 

↓この写真の右手の住宅が南側隣地、左手の四角い白い建物が東側隣地。

南東側の敷地が高くなっているのが分かります。

 

 

日当りのことを考えると計画敷地の地盤は高くしたい。

しかし地盤の高さを上げすぎると、道路・アプローチから玄関までの高低差が大きくなって、階段の上り下りが多くなる。

「日当りはいいが、道路面から上げすぎない」ちょうどいい頃合いの地盤高さを探ることになります。

 

また、建物の高さも高くして光を取り入れたい。

しかし今回は平屋を希望されているので、あまりタッパを高くはできない。

一部の天井高さを上げてハイサイド窓を設けるなどしつつ、建物全体の高さは控えめに抑えたい、という主旨で計画をスタートしました。

 

 

 

 

大まかな配置のイメージはこの通り。
敷地の南東角は隣地からの影が伸びてくるので、ここは庭にして建物は窪ませる。

 

庭の目隠しになる小さな下屋を設ける。

 

建物の中央部分は天井高を上げて高窓を設ける。
そして広い敷地を生かして、居室はできるだけ南面させる。

 

この配置から平面と立面を固め、プランを確定し、SketchUpという日照シミュレーションソフトで日当りがうまくいくかを確認しました。

 

 

 

 

周辺状況もあわせた模型も作りましたが、これを見ても南と東の隣棟が平屋よりもずいぶんと高いことがよく分かります。

 

設計仲間である水の葉設計社の中野さんに温熱アドバイザーとして、この住宅もシミュレーションしてもらい、意見を聞きながら窓の位置を確定したり、軒の出や軒の高さ、床の高さを確定しています。

 

 

 

冬至は太陽高度が低いため、建物の日影が長く伸び、その一方で窓に差し込んだ光は奥まで差し込みます。
逆に夏至は太陽高度が高く、日影は短くなり、深い軒を出しておけば室内には日が差さないようになります。
SketchUpは、1年を通しての日影の変化や、隣棟からの影響などをわかりやすく示してくれるソフトです。

 

その結果がこちら。

 

 
↑南西外観-冬至12時 

↑南西外観-夏至12時

 

 
↑南西鳥瞰-冬至12時   

↑南西鳥瞰-夏至12時

 

 
↑南東外観-冬至12時 

↑南東外観-夏至12時

 

 
↑南東鳥瞰-冬至12時 

 

↑南東鳥瞰-夏至12時

 

これを見ると冬至には平屋の壁に日が当たり、夏至には平屋の壁には日が当たっていないことが分かります。

 

室内側から見た日の差し方も大きく変わります。

 

 
↑寝室-冬至12時

↑寝室-夏至12時

 

この寝室への日当りの違いがとても分かりやすいです。

冬至の日差しは窓から部屋の奥まで届いています。

 

これらのシミュレーションを繰り返し、住まい手にも確認していただきながらプランや高さや窓を決定しています。

 

2020年05月23日    

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