前回に引き続き、「梅林の家」の解説です。
今日は、外観とお庭について。


北側道路面の外観は、ごくごくシンプルな平入りの縦格子張りです。
建替え前は、一見、旅館のような入母屋の華やかな外観で窓も大きく設けてありましたが、
建替え後は「あまり目立ち過ぎず控えめにしたい」
「道路からの視線が気にならないように目隠しをしたい」との住まい手の意向があり、抑えた外観としました。
木部の色合いは周辺の伝統的な民家にあわせ、町並みにしっくり馴染むようにしています。
白壁は漆喰です。
 
植え込みや石積みなどは、元からあったものをできるだけ残しつつ、
植栽の手入れをしやすいように、だいぶ刈り込んでボリュームダウンしました。
と同時に、足元の山野草や和モダンにあう中低木を中心に、友人である造園家の嶋かずみさんにセレクトしてもらい、
建替えにあわせレイアウトしてもらっています。
私はというと、、、
「ここにこんな樹種がほしい」
「在来種や山野草など、日本の風土や和の庭にあう植物を中心にいれてほしい」
「正面に、ゆくゆくシンボルツリーになる木がほしい」
「手入れが楽になるようにしてほしい」
「ここに目隠しの木がほしい」
「ここに日除けに大きくなる落葉樹がほしい」
「ここに石積み擁壁をつくりたい」
などなど、超うるさい注文をつけるだけ・・・。
 
通り庭の石畳は元のまま残しています。

建物際には、解体時に取っておいた古瓦を再利用。
6月にはさまざまな花が咲いていました。

これは奥さんリクエストのハゴロモジャスミン。隣家との目隠しに蔓をワイヤーに這わせます。

新しく入れた植栽には、嶋ちゃんがひとつひとつに樹木札を付けてくれました。
これはボケ。
 
カラタネオガタマ。バナナのような甘い香りがします。

アジサイ。

今回は真夏の見学会でしたので、花は少なめでしたが色濃い緑が青々と美しかったです。
これは南の庭の風景。

手入れをしてくれている麦わら帽の彼女が嶋ちゃん。
以前は手入れが大変で、うっそうとした森のようになっていましたが、だいぶ伐採・剪定をして気持ちよくなりました。
元からあった立派な庭石やアセビの木を生かしつつ、飛び石を置きなおしたり、低い目線の位置にさわやかな草花を
足してもらっています。

南側も道路に面していますので、南庭の一角に来客用駐車場を造っています。
(Yさんファミリーは兄弟や孫たちが一同に集まると超大家族なのです。)
駐車場は解体時に余ってしまった余分な石を再度積みなおし、その上に板塀を立てています。
また、子供達が走り回れるように空地もつくり、そこには雑草防止でグラッピア(スーパーイワダレソウ)
を植えてもらいました。
空地を芝生敷きにすると、あとあとのメンテナンス(芝刈り)が大変です。
グラッピアだと一面に緑のじゅうたんを広げながら、適宜、子供達が遊んだりして踏み固めることで
不要な繁殖を抑えることができます。
広く遊べる庭を造るときに、近年、重宝されている植物です。

 

部屋から眺めるとこんな感じ。
お寺の庭のような風情もありつつ、剪定・伐採により広がりも出ました。
元々の庭も立派でしたが、手入れをすることによって気持ちよさが数段あがったと思います。
いかにもな堅苦しい和風庭園だと盆栽のようにきれいに剪定してしまうところ、
植木は形を整えすぎず、自然なりの樹形にしていますので、雑木林のような自然な趣も出たと思います。
私も植栽計画などは大好きなのですが、
今回は既存の石積みも多く、元のお庭も広く本格的な造りでしたので、
庭のプロの嶋さんと伊覇造園さんに入ってもらいました。
今まで知らなかった新たな植物もたくさん入れてもらいましたし、石の使い方などは色んな提案をもらい、
大変勉強になりました。
私も手入れに参加させてもらうなどして、この庭のこれからを見守っていきたいと思っています。
「梅林の家」http://tuki-note.com/works2/umebayashi.html
設計 ツキノオト船木絵里子+モモデザイン山本仁美
施工 ツキデ工務店
造園 嶋かずみ+伊覇造園

2011年08月09日    

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