母屋・離れと周辺の調査をして現状を整理して、いよいよプランとなるのですが、今回は「改修」「減築」「建替え」といろんなパターンの案と概算を出して、ご要望と予算に一番あうプランがどれかを住まい手と話し合いました。

↑調査時の現況配置図。

プランの要望はまとめると以下の通り。
・冠婚葬祭に使える和室の続き間は必須。
・玄関はご近所さんの応接もできる広さがほしい。
・お母さんの寝室を温かい日当りの良い場所にしたい。トイレは寝室近くに。
・もう一人(介助者として)家族の寝室もほしい。
・農作業に使える屋根付きの作業場がほしい。(畑と家の間に。)
・LDKは明るく。対面キッチンで。
・本の置場がたくさんほしい。

これらのご要望を元に、改修・減築・解体・増築・建替えなど異なる案を組み立てました。
耐震工事はもちろん、冬寒い地域ですので断熱工事も必須として予算案に含めています。

①改修案・・・母屋の劣化の激しい部分を減築+改修する(50坪→35坪)
②増築案・・・母屋を解体し、2階建て住宅に平屋(18坪)を増築する
③建替え案・・・母屋を解体し、新たに小さな平屋(25坪)に建て替える

①~③の各パターンで、それぞれいくつかのボリューム案を出しつつ、あわせて離れを残すか解体するかの検討もしました。


↑ボリュームがわかる程度のラフ案を10案ほど出して、それぞれのザックリ概算を出している。だいたいの間取りなど見つつ、予算にあったプランはどの程度のボリュームなのかを住まい手と一緒に検討した。

解体費の見積も、各パターンにあわせ、部分解体・全解体とそれぞれ工務店さんに見積をとりつつ総予算案を出しています。

↑調査に並行して、いろんな解体のパターンを工務店と相談して、解体見積も「部分解体」「全解体」など何種類か出してもらった。

また、道路からの小運搬の費用、搬出入ルートの整備費、敷地全体の排水設備の整備など、仮設費が多くかかることも見込んで、概算とあわせてご提案しました。
プレゼンのやり取りを繰り返し、結果、③「建替え案」で母屋・離れともに解体し、その古材など使える材料を再利用して建て替えるという結論に達しました。

理由は、
・①の50坪からの減築&改修だと、触る面積が大きくて改修費が予算オーバーになる。
(↑これが一番の理由)
・今後の生活での必要面積に比べ母屋が大きすぎて、減築してもメンテの負担が重い状況が続くと予想される。
・将来お子さん達に家を引き継ぐことを考えると、メンテに手がかかる大きな古民家ではなくコンパクトな平屋にして残したい。
・裏山の土砂崩れによる被害を避け、山水の排水ルートを確保するためにも建物配置をもっと東に寄せたい。
・母屋が裏山に近すぎて日当たりが悪くジメジメしているため、より東側にコンパクトに建て替えた方が住環境が良くなる。
・重機が入っていくルートの確保が難しく、一部を残しながら部分解体する工事が困難である。
…etc

調査からプレゼンを経て出てきた問題点と、これからのビジョンを整理して建て替えを決めました。
「建て替え」と決まり、ここからいよいよ基本設計に入ります。

いつもは最初から具体的なプランに入るのですが、今回は簡単なラフ案をたたき台にして、あーだこーだと話し合うこと数ヶ月。
でもこの意見交換や、考えの共有や深まりがあってこそ、納得いくプラン作りにつながったと思います。

ざっくりボリューム案ではなく、いよいよ具体的にプランを練っていく作業が始まりました。

(まだまだ続きます!)

2023年04月15日    

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