「山添の家」では、柱・梁といった構造材、鴨居・枠といった造作材ともに吉野の赤身の美しい材を入れていただきました。

和室の天井板も吉野杉。
奈良県産材の補助金をいただいて、赤身のきれいな板を用意していただきました。


一方で縁側の天井には、コストダウンのために大分・日田杉のお買い得の無節の白太の板を、私の方から現場支給しました。
日田のユウキ木産さんが手ごろな価格できれいな杉板を送ってくださるので、予算の調整が必要な時にいつも助かっています。
張り上がった現場を見上げると、今回は特に周りの吉野杉の赤味が強いので、白い板がちょっと浮いている気が…。
急遽、あとから私が柿渋を塗って色味を合わせることにしました。

天井にあとから塗るのはポタポタ垂れて塗りにくいし、腕だるいし、養生が面倒…。
次回からは張る前に塗ろう!
1回目を塗って、赤の発色を見つつ、2週間後に再度の2回塗り。
柿渋は塗ったあとに、数ヶ月かけてどんどん赤茶色が増していくので、いきなり原液を塗ってしまうのはNGです。

塗ってから3ヶ月ほどで、周りの赤身の板とちょうどいい塩梅で馴染みました。
無節なので上品な仕上がりですし、和室周りには白太+柿渋塗り、おおいにアリだと思います!
今回はターナーの「無臭柿渋」をコテバケで塗りました。
この無臭柿渋を使ってからは、従来の臭いのきつい柿渋にはもう戻れません。
だってだって、あれは臭いが服にも染みつくし、帰り道の電車でも気になるんだよ。。。

これから1年ほどかけて、さらに深い赤茶色になっていくでしょう。
今回は古材もありますので、そこそこ色が濃くなってもアリかなと思っています。

ちなみに外壁と軒裏の杉板はすべて日田杉でキシラを塗ってもらっています。外部の雨がかりは節ありの赤身または源平の板がよさそうです。

地元の奈良県産材を使いたいというのはもちろんベースにあるのですが、ここ数年特に水害の多い日田が気に掛かり、日田杉を使うことで少しでもつながれれば…という思いもあります。
今年も日田は被害が出ているようで、少しでも早く復旧ができますように、暑い日が続く中、体調崩されないようにお祈りします。

 
 
2023年07月29日    

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です