ご夫婦と3人のお子さんが暮らすおうちで、緑豊かな広いお庭を囲んでL型の住まいがゆったり建っています。
 
広々したリビングに図書コーナーや壁いっぱいの本棚、その上のロフトなど、本好きのご家族のための読書スペースが設けてあります。
 
お料理好きの奥さんのためにカスタマイズされたキッチン、自転車好きのご主人が愛車をメンテするために広くした玄関土間、お子さんが遊ぶ広い庭と大きなデッキなど、ご家族それぞれが楽しめる「好き」がたくさん詰まったおうちになりました。
晴れた日は庭やデッキで遊び、雨の日はおうちで本を読む、そんなイメージのおうちです。
 
こちらは以前、東側半分の敷地に建っていた中古住宅に暮らしておられましたが、西側の空地もあわせ広い敷地として一体化して、新たな木造住宅に建て替えたものです。
数年前に先んじた隣家の建て替えにより、お隣の窓からこちらの庭や住まいが丸見えになっていましたが、こちらの配置をL型にして建て替えたことにより、お隣と互いの視線を遮ってプライバシーに配慮した囲んだ庭とデッキができました。
 
LDと縁側の窓から冬場は南の日が入り、夏の強い朝日や西日はカットする住棟の形になっています。
家のどこにいても庭とのつながりを感じられる間取りです。
敷地には元からモミジやクスノキなどたくさんの樹木が植わっていて、それぞれが窓から見える計画にしつつ、必要に応じてサルスベリなど高木の移植もしてもらいました。
 
収納を十分に確保し、個室は将来的に仕切ったり、逆に一体化したりと、間取りの変化に対応できるようにしています。
 
お子さんの健康や安全を考え、なるべく木と自然素材を多く使い、合板や接着剤の使用量を減らしています。
また、防犯・防火・避難・耐震など、安心して生活できる住まいになるよう時間をかけて検討を重ねました。
 
ご夫妻に欧州での生活の経験がおありなのと、お子さんたちとの暮らしに似合うように、インテリアは少しかわいめのデザインにしています。
最後の仕上げに、珪藻土塗りの左官工事やデッキ張りには、住まい手さんファミリーが皆さん参加されて思い出になる家づくりになったようです。

新築住宅
所在地/大阪府堺市南区
構造/木造2階建て
 
延床面積 /134.61㎡ (40.71坪) 
 
設計/暮らしの設計ツキノオト/船木絵里子
構造サポート/秋山建築住宅設計室/秋山 真一
省エネ計画サポート/水の葉設計社/中野弘嗣
 
施工/(株)中瀬古工務店

 

→晴遊雨読のイエのブログ記事はこちら
 

 
 

 
 

正面外観。主屋はジョリパットの塗り壁、下屋の玄関は杉板張りのオスモ塗装。 門扉や門灯は、以前の住宅に使われていたものを再利用しています。

 
 

玄関ポーチの正面。北側の道路よりも南の敷地の高さが2m近く上がっているので、玄関の床高よりもLDKなどがある主屋の1階床は1m高くなっています。

 
 

玄関土間。ご主人の趣味の自転車を土間でメンテナンスされるので、広めの土間になっています。腰壁は自転車をあててもいいように板張りにしています。

 
 

ホールからリビングを見る。敷地に高低差があるため、玄関からリビングへ上り框や踏み段を上っていく造りになっています。リビングへの入口はアーチ状にして愛らしい印象のエントランスにしました。

 
 

玄関土間を廊下より見返す。

 
 

ホールより手洗いとリビングを見る。手洗いの入口もアーチ状にしています。

 
 

手洗いと1階トイレ。帰宅時に手を洗いやすい場所に設けました。既製品の洗面カウンターの引出しを唐松の巾ハギ板に貼り替えて、無垢の木の家の雰囲気にあわせています。トイレの床はリノリウムです。

 
 

廊下からリビングダイニングを見る。広いデッキと庭につながり、リビング正面には壁いっぱいの本棚があり、その上のロフトにつながります。ダイニングの天井はJパネルです。

 
 

ダイニングからリビングを見る。右手のくぼんだスペースはこもって本が読める図書コーナーです。ロフトにあがるハシゴは上の方の本を取る時にも使えます。

 
 

リビングの上は吹抜けになっています。右の白い壁はテレビを掛ける壁、左の小部屋が図書コーナー。ベンチや椅子を置いて、庭を眺めながらくつろぐ書斎スペースになります。

 
 

ダイニングから玄関を見る。左はテレビ用の壁、右のカウンターの下にはお持ちのチェストを置いて飾り棚として、その上は神棚として使います。

 
 

ダイニングからキッチンを見る。こちらのキッチンは料理好きの奥さんが揚げ物もよくされるので、油煙がLDに回りにくいようセミクローズドキッチンになりました。 カウンターの開口が開いているので、奥さんは料理をしながらお子さんたちの様子が伺えます。カウンターではハイスツールを使って朝食を取れる設えにしています。

 
 

キッチン内部。白いL型キッチンはメーカーの既製品ですが、正面のコンロとグリルは住まい手さんがイタリアから持ち帰ったものを、大工さんが現場でカウンターをカットして組み込んでくれました。 背面の木製カウンターと吊戸棚は大工さんのお手製です。炊飯器の引き出し収納も組み込まれています。

 
 

1階の縁側から寝室を見る。左手の部屋と奥の部屋は、今は広い一部屋にしていますが、あとから2室に分けられるプランにしています。

 
 

1階寝室南の窓。立派なモミジが窓前にあり、一番景色のよい部屋です。右手にサルスベリやクスノキも見えます。

 
 

南の庭よりデッキ・寝室を見る。正面奥の隣家と互いの視線があわないように配慮した配置計画にしました。こちらの建て替えにより隣家が暗くならないように、下屋部分は高さを抑えています。

 
 

庭よりLDK方向を見る。デッキ板は建て替え前のおうちに使われていたものを再利用しています。広いデッキには洗面・リビングダイニング・縁側から出入りができます。デッキ左側には屋根付きの物干し場を設けています。

 
 

洗面室から洗濯室を見る。奥の勝手口を開ければ外の物干しにつながります。洗濯室は室内物干し場にもなり、専用の乾燥機も付けていますので、冬場や梅雨時や花粉が多いシーズンに役立ちます。

 
 

2階から吹抜け・ロフトを見る。2ヶ所のハイサイド窓から明るい光が入ります。ロフトの下が洗面・室内物干しになっています。

 
 

天井の低いロフト。お子さん達のかっこうの遊び場です。床は杉のJパネルそのままです。正面のにじり口の奥には更なる小部屋が。こちらも子供の隠れ家にもなり、納戸としても使えます。

 
 

小部屋の内部。

 
 

2階の寝室。どの部屋にもクローゼットや押入など十分な収納を設けています。寝室や小部屋の壁は、左官屋さんがレクチャーしてくれて住まい手ファミリーがDIYで珪藻土を塗りました。