この家は、施主の大山さん自身が建築士で設計をされています。
大山さんはこれまで店舗設計や鉄骨造のお仕事が多かったのですが、自邸は国産材を使った木造にしたいということで、木構造の設計や木材管理や見積調整およびDIYなどを船木がサポートさせていただく、ということで家づくりに関わらせてもらいました。
奈良の地元の材を使いたいということで、木材は吉野の阪口製材さんの天然乾燥材です。
プレカットはいつもお世話になっている三重・松阪のコウヨウさん。
工事は安心してお願いできるコアー建築工房で、しかも南津守でもお世話になった横田棟梁!
構造設計はワークショップ・安江さんにサポートしてもらい、最強の布陣で臨みました。
新築工事
奈良県生駒市
木造2階建て
延べ面積 146.97 m2 (44.37坪)
設計:おおやま建築設計室/大山洋子
設計サポート:暮らしの設計ツキノオト/船木絵里子
構造設計サポート:㈲ワークショップ/安江一平
施工:コアー建築工房
道路側外観。白い外壁は火山灰を再利用した白洲そとん壁です。手前板壁の下が駐車場、上はテラスです。
玄関前外観。格子状の透明FRPの手摺を使っているので光と風が抜けます。外部木部はOSMOで塗装。
玄関正面。右半分が玄関で、左半分は浴室や水周りに面するアルコーブです。
玄関内部。下足入れの下はFIXガラスを入れて浮いた印象に。正面の縦格子は、阪口製材の赤身の杉です。
洗面から浴室へ。アルコーブとつながった光と風が抜ける開放的な空間。床はサーモタイルで温かい感触です。
1階寝室。吉野杉の赤身がきれいです。天井板は杉三層パネルのJパネルです。
階段で2階へ。階段板は傷のつきにくい唐松の巾ハギ板です。
2階ダイニングキッチン。大壁なのでインテリアや雑貨の映える、モダンでかわいい空間になりそうです。
同じく2階LD。2階なので窓の大きい開放的なLDKができました。床はコボットのクルミフローリングです。
2階テラス。ここは雨がかかるので床板・壁板とも耐久性の高いレッドシダーで、オスモもDIYで塗りました。
工事中の写真。阪口製材の杉をプレカット工場に運び、棟梁と設計者が一緒に吟味していきます。
木材の乾燥はとても重要です。含水率計で乾燥具合をチェック。天然乾燥材としては優秀な数値でした。
適材適所に使う場所を決めることを木配り、番付といいます。構造材を見せる建物では重要な作業です。
プレカットした材料で建て方をしています。柱や梁といった構造材をバランスよく配置することも大切です。
1階基礎と軸組。土台は吉野桧です。高基礎の部分が浴室になり、水廻りは特に赤身の濃い木材を使います。
黒い金物はDボルトという構造用金物です。木の中にボルトを埋めているので目立たず強い、優秀な金物です。
梁の追っ掛け大栓継ぎという継ぎ手。コウヨウはプレカットだけでなく手加工もしてくれるありがたい工場です。
屋根のJパネル。構造面材であり仕上げ材になるので、無垢の木の家に最適なパネルです。