80代のご両親と娘夫婦のための住宅改修です。
家族共通のLDKと両親の寝室がある母屋を重点的に改修し、超長期住宅モデル事業の補助金や町の耐震改修助成金を使い、耐震・断熱・バリアフリーなど、高い性能を実現した改修です。
既存住宅の性能評価を利用し、耐震等級3・省エネ等級3・高齢者等級3と、ハイレベルな性能改修工事をしました。
耐震では耐力壁やベタ基礎や補強金物の新設。省エネでは基礎・壁・天井に断熱材の追加とサッシのペアガラス化。高齢者等級では床段差の解消や手摺設置など。可能な限りの改修を尽くしています。
また娘夫婦の寝室がある離れと母屋との間に、内玄関を新設し双方を繋げることにより、両親と娘夫婦それぞれの暮らしと屋外空間とをゆるやかに繋いでいます。
家族みんなが使いやすいアプローチと玄関をつくり、家族や来客の出入りや交流の場である住まいの中心をつくることが、この改修のミソになっています。
雪の多い与謝野町の暮らしを快適にするため、いろんな用途に使える屋根付のサービスヤードやサンルームも増築しています。

築33年の住宅リフォーム
京都府与謝郡与謝野町
(母屋)木造平屋建て  (離れ)鉄骨造+木造
延べ面積 (母屋)140.20 m2 (42.41坪)
 
 
設計:MOK-msd/三澤文子+暮らしの設計ツキノオト/船木絵里子
施工:道下工務店

 
 

正面が木造の母屋。左手が鉄骨の離れ。動線がバラバラだった2棟の間に玄関・アプローチを新設しました。

 
 

新設の玄関・アプローチに連続して、屋根付きのサービスヤードを増築。道路側への目隠しにもなります。

 
 

増築したサービスヤード。半透明のポリカ屋根から光が差し、雨雪をしのいで外仕事や物干しができます。

 
 

サービスヤードの外流し。 畑で採れた野菜を洗うのに便利です。ゴミやプロパンを置いたり何かと使えます。

 
 

新設した内玄関。格子網戸とガラス戸の2枚引戸です。格子網戸は防犯しながら風を通すのに便利。

 
 

内玄関。右に母屋、左奥に離れがある。以前の渡り廊下を広い玄関に増築して、動線や繋がりをスムーズに。

 
 

内玄関から母屋リビングへ。建具は既存のものを使い回ししました。味わいも出てコストダウンにもなります。

 
 

母屋のキッチン。広い木製のアイランドカウンターは、作業台にもダイニングテーブルにもなります。

 
 

リビングの奥に続くベンチコーナーとサンルーム。サンルームのポリカ屋根から明るい光が差し込みます。

 
 

サンルームから和室の縁側へ。サンルームは今回増築しました。ベンチでは音楽を聴きながら昼寝が最高。

 
 

サンルームに繋がるデッキ。雪の降る冬場はサンルームが物干しになります。

 
 

既存玄関前のホール。ここにも既存障子を再利用。新しい空間に古建具を使うと、空間が和みます。

 
 

ホールからトイレ・洗面・浴室を望む。床は美しい源平無地上小の赤松。

 
 

広々としたトイレ。既存サッシを障子で覆い、節ありの壁杉板は白染めして上品に。汚れやすい床は大理石に。

 
 

脱衣室から浴室へ。3枚引戸を使い段差なしで出入りできます。床は足ざわりが温かいコルクタイルです。

 
 

洗面室。左手収納と鏡付き吊戸棚で収納量はたっぷりあります。水廻りの壁板は水に強いサワラ板です。

 
 

(上)構造計算に基づき強固な耐震金物を適宜設置。(下)土だった床下にベタ基礎を新設し基礎断熱も施工。

 
 

(上)天井裏・小屋裏に断熱材を敷き、構造用合板と梁で耐震補強。(下)土壁にも合板を張り、耐力壁を強化。